
ナチュラルワインは二日酔いを防ぐ?それともただの噂?
ナチュラルワインは、近年ワイン愛好家の間でますます人気が高まっています。私たちは食品において、よりサステナブルでオーガニック、そしてできるだけ添加物の少ないものを求めるようになっています。もちろん、それはワインにも当てはまります。では、ナチュラルワインを飲むことで翌日の二日酔いも軽くなるのでしょうか?以下では、この噂がどの程度本当なのかを説明します。
ナチュラルワインとは?(簡単に)
ナチュラルワインとは、ブドウ畑でできるだけ自然の力に任せて作られるワインのことです。害虫を防ぐために化学薬品を散布するのではなく、自然の仕組みを利用して栽培が行われます。例えば、「敵には敵を」という自然のサイクルを活用し、ブドウ畑に木や動物、昆虫を増やすことで生態系を作り出します。つまり、自然が自然を支える仕組みです。
また、ワインセラー(醸造工程)でも化学的な添加物は使われません。発酵は野生酵母によって行われ、ろ過もされず、亜硫酸塩(サルファイト)も基本的には添加されません。ただし完全にゼロではなく、最大で30mg程度が含まれる場合があります。
サルファイトとは硫黄を含む物質の総称で、ワインを細菌から守り、保存期間を延ばす役割があります。また発酵過程で自然にも生成されるため、サルファイトが全く含まれないワインは存在しません。
通常のワインには約150mg程度のサルファイトが含まれており、法律上は1リットルあたり最大350mgまで添加することが認められています。これはナチュラルワインよりかなり多い量です。
アルコールの分解
この疑問に答えるためには、体がどのように特定の物質を処理するのかを理解する必要があります。ここで重要になる物質は**アルコール(エタノール)とサルファイト(硫黄化合物)**です。
アルコールは胃から体内に吸収され、肝臓へと運ばれます。そこでアルコールの分解を行うのが酵素です。酵素とは体内のタンパク質で、化学反応を起こす働きを持っています。酵素は物質を別の物質へと変換し、最終的に体が分解しやすい形にします。
アルコールの分解には2種類の酵素が関わります。
まず、ADH酵素がアルコールをアセトアルデヒドという物質に変換します。このアセトアルデヒドは、アルコールよりも10〜30倍も毒性が強い物質です。
その後、ADHL酵素によってアセトアルデヒドは**酢酸(アセテート)に変換され、体内で分解できるようになります。この変換の際に重要な役割を果たすのがグルタチオン(抗酸化物質)**です。
グルタチオンは解毒作用を持つ抗酸化物質で、ADHL酵素が有毒なアセトアルデヒドを酢酸へと変換するのを助けます。
しかしサルファイトもまた、体内で分解される際にグルタチオンを必要とする物質です。つまりアルコールとサルファイトの両方が体内に入ると、グルタチオンは二重に働かなければなりません。その結果、ADHL酵素によるアセトアルデヒドの分解が遅くなってしまいます。なぜならグルタチオンはサルファイトの処理にも使われているからです。
ナチュラルワインと二日酔い
ナチュラルワインには、二日酔いに関して2つの利点があります。以下でその理由を説明します。
1. 抗酸化物質であるグルタチオンは、ADHL酵素が有毒なアセトアルデヒドを酢酸へ変換するために必要です。この抗酸化物質はサルファイトの分解にも使われます。
体内に入るサルファイトが多いほど、アセトアルデヒドを処理するためのグルタチオンが少なくなります。つまりサルファイトが多く含まれるワインを飲むと、アルコールよりも毒性の強いアセトアルデヒドが体内に長く残ることになります。これは頭痛や吐き気の原因になります。
サルファイトが少ないほど、アルコールは体内でより簡単に、より速く分解されるのです。
2. ナチュラルワインのもう一つの利点は、ADHL酵素の代謝を高める可能性があることです。これにより、ADHL酵素が有毒なアセトアルデヒドをより速く分解できるようになります。
結果として、ナチュラルワインを飲んだ場合は血液中のアセトアルデヒドの量が少なくなり、体内での代謝も速く進みます。そのため、通常のワインと比べて頭痛や吐き気が軽くなる可能性があります。
結論
ナチュラルワインにもアルコールは含まれています。アルコールを飲むと、体内では有毒な物質が生成されます。しかし、サルファイトが多く添加されたワインと比べると、ナチュラルワインではこれらの物質がより早く処理される可能性があります。
抗酸化物質であるグルタチオンは、アルコールによって生成される危険な物質アセトアルデヒドを分解するために不可欠です。しかし、この抗酸化物質はサルファイトの処理にも使われます。そのためサルファイトが多いワインでは、アセトアルデヒドの代謝が遅くなり、有毒物質が体内に長く残ってしまいます。
さらに、ナチュラルワインにはADHL酵素の代謝を高める可能性があり、その結果、毒性の高いアセトアルデヒドがより早く分解され、体内に留まる時間が短くなります。
つまり、ナチュラルワインは通常のワインより二日酔いが軽くなる可能性はあります。
ただし、もちろんアルコールを飲みすぎれば話は別です。
頑張れば、ナチュラルワインでもしっかり二日酔いになります!

